社会保険労務士 工藤総合保険事務所

法改正情報

介護休業の対象となる労働者


(第2条、第12条第2項)

1.この法律の「介護休業」とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にある対象家族を介護するためにする休業をいいます。(則第1条)。

2.対象家族の範囲は、配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含みます。)、父母及び子(これらの者に準ずる者として、労働者が同居し、かつ、扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫を含みます。)、配偶者の父母です(則第2条)。
 祖父母、兄弟姉妹、孫については、同居、扶養の要件が付されていることに留意してください。

3.法に基づく介護休業は、期間を定めて雇用される者には適用されませんが、労働契約の形式上期間を定めて雇用されている者であっても、当該契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となっている場合には、介護休業の対象となります。その判断については、育児休業と同様です。

4.事業主は、要件を満たした労働者の介護休業の申出を拒むことはできません。
 ただし、次のような労働者について介護休業をすることができないこととする労使協定があるときは、事業主は介護休業の申出を拒むことができ、拒まれた労働者は介護休業をすることができません。

  1. 当該事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者

  2. その他介護休業をすることができないとすることについて合理的な理由があると認められる労働者

  1. 「介護休業をすることができないとすることについて合理的な理由があると認められる労働者」とは、次のいずれかの場合をいいます(則第23条)。
    1. 申出の日の翌日から3月以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者

    2. 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

法第12条第2項及びこれに基づく則第23条は、労使協定を締結した場合に介護休業の対象から除外できる者の範囲の最大限度を示しています。したがって、より狭い範囲の者だけを除外することは可能ですが、逆により広い範囲の者を除外することはできません(例えば、男性はすべて介護休業の対象から除外する旨の労使協定を締結することはできません。)。

常時介護を必要とする状態に関する判断基準

「常時介護を必要とする常態」とは、次のいずられかに該当するものとする。

  1. 日常生活動作事項(第1表の事項欄の歩行、排泄、食事、入浴及び着脱衣の5項目をいう。)のうち、全部介助が1項目以上及び一部介助が2項目以上あり、かつ、その状態が継続すると認められること。
  2. 問題行動(第2表の行動欄の攻撃的行為、自傷行為、火の扱い、徘徊、不穏興奮、不潔行為及び失禁の7項目をいう。)のいずれか1項目以上が重度又は中度に該当し、かつ、その状態が継続すると認められること。
第1表(日常生活動作)
態様 1 自分で可 2 一部介助 3 全部介助
事項
イ:歩行 ・杖等を使用し、かつ、時間がかかっても自分で歩ける。 ・付き添いが手や肩を貸せば歩ける。 ・歩行不可能
ロ:排泄 ・自分で昼夜とも便所でできる。
・自分で昼は便所、夜は簡易便器を使ってできる。
・介助があれば簡易便器でできる。
・夜間はおむつを使用している。
・常時おむつを使用している。
ハ:食事 ・スプーン等を使用すれば自分で食事ができる。 ・スプーン等を使用し、一部介助すれば食事ができる。 ・臥床のまま食べさせなければ食事ができない。
二:入浴 ・自分で入浴でき、洗える。 ・自分で入浴できるが、洗うときだけ介助を要する。
・浴槽の出入りに介助を要する。
・自分でできないので全て介助しなければならない。
・特殊浴槽を使っている。
・清拭を行っている。
ホ:着脱衣 ・自分で着脱ができる。 ・手を貸せば、着脱できる。 ・自分でできないので全て介助しなければならない。

第2表(問題行動)
程度 重  度 中  度 軽  度
行動
イ:攻撃的行為 人に暴力をふるう 乱暴なふるまいを行う 攻撃的な言動を吐く
ロ:自傷行為 自殺を図る 自分の身体を傷つける 自分の衣服を裂く、破く
ハ:火の扱い 火を常にもてあそぶ 火の不始末が時々ある 火の不始末をすることがある
二:徘 徊 屋外をあてもなく歩きまわる 家中をあてもなく歩きまわる ときどき部屋内でうろうろする
ホ:不穏興奮 いつも興奮している しばしば興奮し騒ぎたてる ときには興奮し騒ぎたてる
へ:不潔行為 糞尿をもてあそぶ 場所をかまわず放尿、排便をする 衣服等を汚す
ト:失 禁 常に失禁する 時々失禁する 誘導すれば自分でトイレに行く

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