今月のQ&A(質問と答え)
雇用の切り札 「ワークシェアリング」
Q 最近、新聞やテレビで話題になっている「ワークシェアリング」について教えて下さい。
A 雇用環境が悪化する中、ワークシェアリングの社会的関心が高まっています。
日経連は、平成12年1月に雇用の維持を図る手段として、労働時間の短縮に応じて賃金を引き下げることを求めたワークシェアリングの検討を打ち出しました。「賃上げ」も「雇用安定」も要求する連合は強い難色を示していましたが、翌13年11月には、「時間単価を下げるのは認められないが、労働時間の短縮により賃金が減ることもやむを得ない」として、従来の方針を転換する姿勢を明らかにしました。
ワークシェアリングは目的別に、
- 一時的な業績悪化に対応するため、従業員一人当たりの所定内労働時間を短縮して、時短分の人件費を削減する緊急避難型。
- 国が中心となって法定労働時間の短縮に取り組み、その分を失業者雇用につなげる雇用創出型。
- 雇用形態や勤務の仕方を多様化し、女性や高齢者等、より多くの労働者に雇用機会を与える多様就業対応型。
- 中高年層の従業員一人当たりの労働時間を減らし、中高年の雇用を維持・創出する中高年対策型。の4タイプに分けられます。
緊急避難型の導入例としては、半導体製造装置メーカーT社は、業績悪化を経営合理化だけでは乗り切れず、緊急避難措置として、週休三日制を導入しました。生産ラインの稼働率は最盛期の4割程度になり、対象社員の月給は一人当たり月3%減となりました。社員側も「極端に受注が減ったのだから仕方がない」と受け入れており、空き時間は技術訓練等に充てているそうです。
また、多様就業対応型の例として、精密バネ製造会社のA社が、新たな雇用形態を導入しました。従業員は、休日や月間の勤務時間の配分を自分の裁量で決定します。残業は原則的に認められず、限られた時間内で生産個数が多ければ賃金が増える成果主義の賃金制度になっています。この制度で、作業の合間に子供を保育園に迎えに行く等、従業員が自分にあった働き方を選択でき、生産効率は1.6倍アップしたそうです。
