社会保険労務士 工藤総合保険事務所

今月のQ&A(質問と答え)

賃金ダウン後の社会保険料の取扱い


 当社では、この四月から、従業員の賃金を一律一割削減することにしました。その場合、社会保険料はどうなりますか。

 ここのところ、賃下げに追い込まれる企業が増えています。人員削減も限界に達し、いよいよ社員の賃金ダウンに手をつけざるを得ない時代がやって来ました。
その場合、賃金削減の実施と同時に社会保険料の企業負担分も軽減できると期待されるかもしれませんが、社会保険料は賃金削減をすぐには反映しない仕組みになっています。
まず、雇用保険と労災保険は前年度分の確定保険料と今年度分の概算保険料を四月一日から五月二十日までの間に申告します。その際、前年度に納付してある概算保険料のほうが確定保険料より多ければ、その差額が今年度分の概算保険料に充当できるので、その分納付額を軽減できますが、必ずしもそうなるとは限りませんし、また、今年度分の賃金総額の一〇〇分の五〇を下回らない限り、前年度分の賃金総額と同額が今年度の概算保険料の算定基礎となりますので、保険料の軽減効果がただちに現れるとは限らないのです。軽減効果がはっきり現れるのは来年度の申告時になるケースが多いでしょう。
次に、健康保険と厚生年金保険は毎月の賃金を等級区分して保険料を決める標準報酬制を採用しているため、保険料は賃金削減をすぐには反映しません。四月から賃金の一割削減を行う場合、保険料の軽減が実現する時期は次のように分かれます。

  1. 標準報酬等級が二等級以上下がる従業員
    賃金下がってから三ヵ月めに届出を行う「月額変更届」の対象となるので、七月分の保険料(納付は八月末から)。
  2. 標準報酬等級が一等級しか下がらない従業員
    毎年八月に届出を行う「算定基礎届」の対象となるので、十月分の保険料(納付は十一月末)から。

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