今月のQ&A(質問と答え)
労災保険の障害補償年金と障害厚生年金の併給調整
Q 当社の社員が労災事故で障害補償年金を受けることになり、同時に障害厚生年金の受給権も取得しました。両方の年金が受けられますか。
A 労災事故で障害が残り、労災保険の障害補償年金を受けることになった人が労災事故による病気やけがの初診日に厚生年金保険の被保険者であった場合、同時に障害厚生年金の受給要件に該当することがあります。
このような場合、障害厚生年金では病気やけがの原因が業務上であるか業務外であるかで支給額に差をつけることはしていません。したがって、障害厚生年金の受給要件に該当していれば、障害厚生年金は病気やけがの原因が業務上である場合でも全額受けることができます。
さらに、その障害の程度が国民年金法に定める障害等級の二級以上に該当している場合は、国民年金法による障害基礎年金も併せて受けることができます。
一方、障害補償年金については、障害厚生年金または障害基礎年金が同時に支給される場合、障害補償年金の額は一定の割合で減額されます。その場合の障害補償年金の支給率は次のようになっています。
- 障害厚生年金+障害基礎年金が同時に支給される場合・・・・・73%
- 障害厚生年金のみが同時に支給され、障害基礎年金は支給されない場合・・・83%
- 障害基礎年金のみが同時に支給され、障害厚生年金は支給されない場合・・・88%
ただし、上の支給率で計算した額よりも、全額支給時の障害補償年金の額から同時に支給される障害厚生年金等の額を差し引いた残りの額のほうが多い場合には、その多いほうの額が支給されることになっています。これは、障害補償年金と障害厚生年金等が同時に支給される場合、原則どおりの計算方法ではかえって不利になることがあり得るので、それを防止するための措置です。
