社会保険労務士 工藤総合保険事務所

今月のQ&A(質問と答え)

懲戒処分で賃金を減額する際の注意点


 就業規則に社員の懲戒処分の規定をおく場合、減給処分はどのように決めればよいでしょうか。

 懲戒処分とは、企業秩序を乱した従業員に対する制裁として行うもので、軽いほうから、戒告、譴責、減給、出勤停止といった段階を踏み、懲戒解雇を最も重い懲戒処分とするのが一般的です。
懲戒処分は、労働契約の内容に含まれると考えられていますので、懲戒の事由と手段は、あらかじめ就業規則で具体的に定め、従業員に提示しておく必要があります。
おたずねの減給処分は、懲戒処分の手段としては中程度の重さですが、従業員の生活の糧である賃金を減額するわけですから、減給の制裁を定める場合には、労働基準法で一定の限界が定められています。
その内容は次のとおりです。

  1. 一回の減給処分について、平均賃金(注)の一日分の半額を超えないこと
    (注)平均賃金とは、これを計算すべき事由の発生した日以前三カ月間に支払われた賃金の総額をその期間の総日数で割った額をいいます。ただし、月給制の場合は直前の賃金締切日以前三カ月で計算します。また、臨時に支払われた賃金と三カ月を超える期間ごとに支払われる賃金は除いて計算します。
  2. 減給処分に該当する事案が一賃金支払期(月給制であれば賃金締切日で区切られた一カ月)の間に二回以上あったときは、その減給処分の総額が一賃金支払期の賃金総額の十分の一を超えないこと
    なお、遅刻、早退、欠勤に対して単にその勤務しなかった時間に対応する賃金を差し引くだけであれば、それは懲戒処分には該当せず、それ以上の賃金の減額を行う場合にのみ上の制限がかかります。
    また、懲戒処分として降格が行われ、その結果賃金が下がった場合は、ここでいう減給処分とは異なりますので、上の制限は受けません。

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