社会保険労務士 工藤総合保険事務所

今月のQ&A(質問と答え)

傷病手当金の報酬調整


 従業員が骨折で入院中です。最初の一週間は有給で処理しました。傷病手当金を請求したいのですが、何か注意することはありますか。

 傷病手当金は健康保険の被保険者が業務上・通勤以外の理由による病気やケガのため仕事を休み給与がもらえない場合で、次の要件を満たしたときに休業一日につき標準報酬日額の六割が支給開始日から一年六ヵ月の範囲で支給されます。

  1. 療養中(自宅療養含む)である、
  2. 仕事に就けない、
  3. 四日以上仕事を休んだ(三日続けて休んだ後四日目から支給)、
  4. 給料が不支給(支給されていても傷病手当金の額より少ないときはその差額を支給)。

上の要件で注意したいのが3.と4.です。3.は会社を三日間連続で休んだ場合に四日目から支給されることになるので、一日おきに休み通算で三日になった、などでは要件を満たしません。さらに今回は最初の一週間を有給で処理したとのことですから、その間は報酬が有るのと同じ扱いになり、その一週間を超えて休んでいる期間が支給の対象となります。
4.については健康保険法で報酬の範囲に含まれているものが休業期間中に支給される場合(有給処理を含む)は支給調整が行われます。傷病手当金が六割支給なので残りの四割を会社が支給した場合、この四割は給与(報酬)とみなされ傷病手当金は六割ではなく四割相当額を引いた二割の支給となってしまいます。
また、基本給等は支払っていなくても交通費(通勤手当)を三ヵ月分の定期代としてまとめて支給している場合などは、支給している定期代から1日あたりの交通費を計算し(一ヵ月分を暦日数に関係なく三〇で割ります)、その額を引いた残りが休業1日あたりの傷病手当金となります。なお、傷病手当金は一年六ヵ月分支給されるのではなく、支給開始日から一年六ヵ月を経過すれば出勤・欠勤にかかわらずその病気やケガについての傷病手当金は支給期間満了となります。

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