社会保険労務士 工藤総合保険事務所

今月のQ&A(質問と答え)

労災保険の受任者払制度


 労災保険には、「受任者払」という制度があるそうですが、どのような制度ですか。

 仕事中(業務上)または通勤途上でケガをしたりあるいは病気になり、その療養のため働くことができないために賃金を受けられないときには、労災保険から休業補償給付(業務上災害)または休業給付(通勤災害)(以下、休業補償給付等という)として、休業4日目から1日につき給付基礎日額の80%(休業特別支給金を含む)が支給されます。

この休業補償給付等の金額が被災労働者の預貯金口座に実際に振り込まれるまでには、1ヵ月前後かかります。そこで、その休業期間で保険給付の対象となる金額を、事業主が被災労働者に予め立替払いをし、後日、政府がその休業補償給付等を、立替払いした事業主の預貯金口座に振り込む制度が受任者払といわれるものです。

受任者払を希望する事業主は、まずこの旨を労働者に周知し、就業規則などに定めておくことが望ましいでしょう。この際事業主が算定して立て替えた金額と政府が算定した金額が異なる場合がありますので、この差額の処理方法についても明確に定めておく必要があります。定めをしたときには所轄労働基準監督署に「労災保険受任届」を提出します。
その後実際に保険事故が発生したときは、「休業補償給付支給請求書・休業特別支給金支給申請書」等に被災労働者の印鑑を押印した委任届(平成○○年○月○日に表記請求の保険給付の立替払いを受けたので、受領方を表記事業主に委任する旨)を添付して提出します。

この請求書の「振込を希望する金融機関の名称」、「口座名義人」欄は、会社のもの、欄外の「請求人・申請人の住所、氏名及び印鑑」は被災労働者のものとなります。

なお、通勤災害により療養給付を受ける人からの200円の徴収は、休業給付から減額し、一部負担金の徴収は行わないことになっています。

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