今月のQ&A(質問と答え)
パート労働者の雇い入れ
Q1 パート労働者の採用時に明示しなければならない労働条件について教えてください。
A1 労働条件の明示については、事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針において次のように定められています。
〔1〕短時間労働者の適正な労働条件を確保するために必ず書面(労働条件通知書〈雇入通知書〉等)により明示しなければならない事項
- 労働契約の期間
- 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合の就業時転換
- 就業の場所及び従事すべき業務
- 賃金(下記の2.を除く)の決定・計算・支払い方法及び賃金の締切り及び支払いの時期
- 退職(解雇の事由を含む)に関する事項これに違反すると30万円以下の罰金が課せられます。
〔2〕書面を交付するよう努める事項
- 昇給
- 退職手当、臨時に支払われる賃金、賞与、1ヵ月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当、1ヵ月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当て、1ヵ月を超える期間にわたる事由により算定される奨励加給または能率手当
- 所定労働日以外の日の労働の有無
- 所定労働時間を超えてまたは所定労働日以外の日に労働させる程度
- 安全・衛生
- 教育訓練
- 休職に関する事項
なお、前掲の採用時の労働条件を、採用後に会社の都合により変更する場合は、パート労働者の同意が必要となりますこの変更が不利益変更になる場合は、トラブルの原因になりますので特に留意すべきでしょう。
Q2 労働契約書と労働条件通知書とは、どこが違うのですか?
A2 労働契約書は労使双方がそれぞれ労働条件の内容を確認して署名するものですが、労働条件通知書は、使用者が労働者に対して一方的に通知する形式のものをいいます。したがって、労働契約の締結は、労働契約書により取り交わすことが望ましいことはいうまでもありませんが、パート労働者の就労形態は各事業所ごとあるいは業務内容により様々ですので、労働条件は、労働条件通知書に必要事項を記載して交付するのが簡便でしょう。
Q3 パート労働者の期間に制限はあるのですか?
A3 平成15年の労働基準法改正により、期間の定めのある労働契約については、原則3年(次のいずれかに該当する労働契約にあたっては、5年)以内となりました。
- 高度で、専門的知識を等を有する労働者
- 満60歳以上の労働者
Q4 採用の際、パート労働者の年齢を制限できますか?
A4 パート労働者の募集及び採用にあたっては、年齢制限が認められる理由
例えば・・・
特定の年齢層を対象とした商品の販売やサービスの提供等を行う業務について、その年齢層の顧客等との関係から、特定の年齢層の労働者を対象として募集を行う場合などが認められています。詳しくはハローワークにお問い合わせください。上記を除いて避けるべきでしょう。
Q5 有期労働契約について、特に注意しなければならないことはありますか?
A5 有期労働契約を締結するときには、期間満了後における契約更新の有無を明示する必要があります。この場合、一定程度予見できるものでなければなりません。
例えば・・・
1.自動的に更新する 2.契約の更新はしない 3.更新する場合があり得る 等が考えられます。また方法としては、書面を交付することが望ましいでしょう。
Q6 契約を更新する場合があると明示したときは、事業主は、パート労働者に更新する場合としない場合の判断基準を明示しなければならないそうですが、具体的な明示方法を教えて下さい。
A6 一例をあげるならば、労働条件通知書の「その他」欄に、「契約更新は、契約期間満了時の業務量、本人の能力・勤務成績・勤務態度等、会社の経営状況、従事している業務の進捗状況等により判断する」などと記載する方法が考えられます。なお、将来的なことは確約できませんので、「契約を更新しないときには、1ヵ月前までに本人に予告するものとする」とただし書きを入れておけば、トラブルを未然に防止することができるでしょう。
Q7 契約を更新しない場合、雇止めの予告は必要ですか?
A7 有期労働契約(雇入れ日から1年を超えて継続勤務しているパート労働者に限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く)を更新しない場合には、少なくとも当該契約の期間満了日の30日前までに、その予告をしなければなりません。この有期労働契約の対象となるのは、次に掲げる場合です。
- 1年以下の契約期間の労働契約が更新または反復更新され、その雇用関係が初回の契約締結時から継続して通算1年を超える場合
- 1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合
Q8 1年を超えて継続勤務している労働者と契約を更新する場合があると明示したにもかかわらず更新しないときの理由として、どのようなものがありますか
A8 具体例として例示されているのは次のとおりで、契約期間の満了とは別の理由を明示することが必要となります。
- 前回の契約更新時に、本契約を更新しないことが合意されていた場合
- 契約締結当初から、更新回数の上限を設けており、本契約はその上限に係るものである場合
- 担当業務が終了・中止した場合
- 事業を縮小した場合
- 業務遂行能力が十分でないと認められた場合
- 職務命令違反、無断欠勤等勤務不良の場合
Q9 この他、有期労働契約に関して、注意すべき点がありますか?
A9 予告の際または退職時や退職後に、更新しなかった理由について労働者から証明書を請求された場合は、遅滞なく交付しなければなりません。また1回以上更新し、1年以上継続勤務している労働者との有期労働契約を更新しようとする場合は、その労働契約の実態、労働者の希望に応じ、契約期間をできる限り長くするよう努めなければなりません
