今月のQ&A(質問と答え)
社会保険及び雇用保険の資格取得手続きについて教えて下さい
Q1 明日(4月1日)から勤務予定のSさんが、突然実母が入院することになり出社できるのは1週間以後になる旨の連絡をしてきました。すでに雇用契約を結んでいるのですが、資格取得日はいつになりますか?
A1 社員の採用日と被保険者資格の取得日とは一致するのが一般的ですが、入社前に雇用契約を結んだ場合には、Sさんのように突発的な理由で、雇入れ日(4月1日)と実際に使用する日(Sさんの場合は4月8日頃の予定)とが一致しないことがあります。このような場合の社会保険の資格取得日は、「現実に勤務する日」(雇用保険の場合は雇用契約で決めた日)となります。
なお、就業規則等により4月1日から勤務する日の前日までの間について、休職給等を支給する旨の定めをしている場合には、4月1日から使用関係があるとみなされ4月1日に資格を取得することとなります。
Q2 給与の締め日の関係で、3月21日からTさんを雇い入れる契約を結ぶ予定です。ただ、3月21日は祝日のため実際に出社するのは3月22日からとなります。この場合、資格取得日は3月21日になるのですか、それとも最初に業務についた日(22日)になるのですか?
A2 3月21日を初日とする雇用契約を結んでいる場合の資格取得日は、実際に出社するのが3月22日であっても、3月21日が、「労働を提供すべき最初の日」と解されますので、3月21日に社会保険、雇用保険ともに、被保険者資格を取得することになります。
なお、これは週休2日制を採っている場合も同様で、雇入れ日が土曜日で、月曜日から出社するような場合も同じです。
Q3 :当社は、新規採用者には就業規則で1ヵ月間の試用期間を設けています。新たに社員を雇い入れた場合、資格取得日は採用した日になるのですか、それとも試用期間が経過した日になるのですか?
A3 貴社のように新規採用者には一定の試用期間を設けている会社は多いと思われますが、このような場合の資格取得日は、現実に業務に使用される状態におかれた日となります。
「試用期間」というのは、社員を採用後、一定期間を設けて採用した社員の職業上の能力、成績、健康などの適格性の評価を目的に、試みに労働を提供させている期間のことをいい、法的に社会保険の適用が除外される「臨時に使用される人」や「期間を定めて使用される人」ではありませんので、雇入れ当初から被保険者となります。
試用期間中は、社会保険に加入しなくてもよいと誤解し、資格取得届を提出しない場合には、使用関係が生じた日(最大で2年前)までさかのぼり、被保険者資格取得の手続を行うことになります。この場合、その期間分の事業主及び被保険者の保険料が一括して徴収されますので注意したほうがよいでしょう。
Q4 資格取得届を未提出のKさんが自宅でケガをしました。Kさんには健康保険から給付は行われるのですか?
A4 社会保険の被保険者資格取得届は、社員を採用した日から5日以内に届け出ることが原則です。
この届出を行わない間に私傷病になった場合でも、そのケガや病気の治療を健康保険で受けたいがために資格を取得したものでないと認められる限り、本人には給付が行われます。
実務上は、資格取得届の資格取得の年月日の記入欄に業務に就いた日を記入して提出すれば、保険者が提出日の受付印を押印します。この押印は、資格取得届に記入されている取得年月日に社会保険の被保険者資格を取得したことの確認を意味します。
なお、資格取得届の提出が相当期間遅れた場合でも、事実の日にさかのぼって資格の確認が行われますが、この場合、遅延理由書などを要求されることがあります。
Q5 資格取得届を長期間提出しなかった場合は、どのように取り扱われるのですか?
A5 社会保険及び雇用保険の保険料などの徴収または還付に関する時効は2年と定められています。
したがって、資格取得漏れが発見されたときにすでに2年を経過していたときには、この保険料徴収の時効の規定によりさかのっぼって被保険者の資格が確認される(保険料の納付が認められる)のは、2年前までとなります。
Q6 被保険者期間として認められるのは2年前までの期間だそうですが、それより前の期間はどうなるのですか?
A6 2年前の期間より前の期間は時効により被保険者期間となりませんので、留意すべきです。
たとえば、雇用保険の場合、基本手当の所定給付日数は算定基礎期間(被保険者であった期間)に基づき決定されますので、少なくなる可能性があります。厚生年金保険の場合はさらに深刻で、被保険者期間が短くなったために給付額が少なくなったり、あるいは年金給付を受けられなくなることも考えられます。
ちなみに、時効になってしまった期間分については、事業主と被保険者間の話し合いになります。。
Q7 高校を卒業する生徒を雇い入れる際に交付される被保険者証や年金手帳について教えて下さい。
A7 (1)社会保険関係・・・初めて社会保険の資格を取得した人には、健康保険被保険者証(被保険者番号として会社の被保険者の通し番号が印字されている)と年金手帳が交付されます。この被保険者証は会社に在職している期間のみ有効で、退職すればその時点で返却することになり、同時に被保険者資格は消滅します。
一方、年金手帳は、一生涯において一人一冊(年金の基礎年金番号は、生涯を通じ被保険者一人につき一つ)とされています。
(2)雇用保険関係・・・新卒者など雇用保険の被保険者番号のない人は、「雇用保険被保険者資格取得届」の被保険者番号の欄を空欄にし、それ以外の事業所番号などを記入して提出すると、その人が生涯用いることになる被保険者番号が印字された雇用保険被保険者証が交付されます。
したがって、再就職しても、被保険者番号は最初に決められた番号を用いることになります。具体的には、再就職するときに、それまで保管していた以前勤務した際に交付された被保険者証と、新たに交付される被保険者証とを交換するのです。
