今月のQ&A(質問と答え)
定時決定について教えて下さい。
Q1 標準報酬月額と給与は、どのように違うのですか?
A1 被保険者に毎月支給されている給与は社会保険では報酬月額といい、基本給、通勤手当、家族手当、残業手当などにより決められますので毎月変動することがあります。
この報酬月額に、保険料率を掛けて保険料を算出したり、あるいは保険事故が発生したときに給付額を算定することは、事業主にとっても国などの保険者にとっても大変煩わしいものです。
そこで、いくつかの等級に区分した仮の報酬を設け、それに報酬月額を当てはめて保険料や保険給付額の計算を行い、事務の簡素化を図っています。この区分された仮の報酬が標準報酬といわれるものです。したがって、給与(報酬月額)と標準報酬月額とは異なるのが一般的です。
Q2 定時決定の対象者になる人とならない人を具体的に教えて下さい。
A2 定時決定は、毎年7月1日時点において、適用事業所に使用されている次に該当する被保険者全員を対象に行われます。
(1)今年5月31日までに入社した人
(2)今年7月1日以降に退職する人
(3)欠勤中の人
(4)休職中の人(育児休業、介護休業中を含む)
一方、次の人は定時決定の対象から除かれるため、算定基礎届に記載する必要はありません。
(1)今年6月1日以降に被保険者の資格を取得した人
(2)今年6月30日までに退職(資格喪失日は7月1日)した人
(3)7月、8月、9月に月額変更届(注1)を提出するか、提出予定の人
(注1)月額変更届は、随時改定に該当したときに提出する届出で、次のすべてを満たしていることが要件です。
イ 固定的賃金の変動または賃金体系に変更があったこと。したがって、残業手当等非固定的賃金のみが変動したときは、要件を満たしたことになりません。
ロ 継続した3ヵ月のいずれの月も報酬支払基礎日数が17日以上あること。
ハ 固定的賃金の変動した月以降引き続く3ヵ月間に受けた報酬の総額を3で割った額と現在の標準報酬月額との間に、原則として2等級以上の差を生じたこと。
Q3 :社会保険では、どのようなものを報酬と定めているのですか?
A3 社会保険では、被保険者が労働の対償として事業主から受けるすべてのものを報酬(金銭によるものと現物によるものとを問わない)としています。したがって、賃金、給与、報酬、賞与、手当など名称の如何を問わず、原則として報酬となります。
反対に報酬とならないものに以下のようなものがあります。
(1)年3回以下の回数で支給される賞与
(2)事業主が恩恵的に支給する結婚祝金、災害見舞金、病気見舞金、死亡弔慰金等
(3)事業主以外の者から支給を受ける傷病手当金(健康保険)、休業補償給付(労災保険)、年金、恩給等
(4)被保険者の財産収入による家賃、預金利子、地代等
(5)臨時に受ける大入袋
(6)実費弁償的な出張旅費
(7)その他退職金、解雇予告手当等
Q4 交通費は一年分を一括して定期券で支給しています。手続き上何か注意すべき点はありますか?
A4 交通費(通勤手当)については、所得税法上1ヶ月10万円までは非課税扱いとなっていますが、社会保険にはそのような取扱いはありませんので、金額の多少を問わず支給額の全額が報酬となります。
また、定期券を一年単位で支給している場合は、12で割って1ヶ月当たりの額を求め報酬とします。通勤手当を算定基礎届に記入する場合は、現金で支給しているときは、「金銭(通貨)によるものの額」の欄に、定期券で支給しているときは、「現物によるものの額」の欄に記入します。
Q5 算定基礎届には、何日に支払った分の報酬を記載するのですか?
A5 算定基礎届に記載する報酬月額は、実際に4月中、5月中及び6月中に支給した社会保険料等控除前の総支給額です。
Q6 報酬支払基礎日数について教えて下さい。
A6 報酬支払基礎日数とは、報酬を計算する基礎となる日数をいい、日曜日、祝日なども含むため、現実に働いている稼働(出勤)日数とは一致しません。
つまり、月給制の場合、暦日数(月末締めの会社では、5月の場合は31日、4月と6月の場合は30日)が報酬支払基礎日数となります(日給制の場合は、稼働日数が報酬支払基礎日数になります)。
なお、定時決定の場合、対象月における報酬支払基礎日数が17日未満の月は除いて計算します。(ただし、パートタイマー等短時間労働者の特例あり)
Q7 定時決定で決定された標準報酬月額の有効期間はどの位ですか?
A7 定時決定により決定された標準報酬月額は、その年の9月1日から翌年8月31日までの1年間が有効期間となります。ただし、8月31日までの間に随時改定が行われるときは、その前月までとなります。
Q8 病気などで欠勤し、報酬支払基礎日数が17日未満の月がある人の記入方法を教えてください。
A8 病気欠勤、休職などで報酬支払基礎日数が17日未満の月がある場合は、17日未満の月を除いて算定します。また、3ヵ月間とも欠勤した場合は、「保険者算定」として、休業直前の標準報酬をもって決定します。これは傷病手当金(標準報酬日額の6割)の額の減少等を回避するためです。
Q9 定時決定で提出する書類などについて教えてください。
A9 定時決定の手続きは、「被保険者報酬月額算定基礎届」、「被保険者報酬月額算定基礎届総括表」を、7月1日から7月10日までに、事業所を管轄する社会保険事務所(健康保険組合、厚生年金基金に加入している事業所は、その健康保険組合、厚生年金基金)に提出することにより行います。
この際、賃金台帳、給与支払明細書または源泉所得税領収証書などの提示を求められる場合がありますので持参してください。
