社会保険労務士 工藤総合保険事務所

今月のQ&A(質問と答え)

仕事中にケガや病気になったときの給付の内容等について教えて下さい。


Q1 療養補償給付は、「労働者」が仕事中にケガをしたり病気になったとき行われる保険給付と聞いています。法人の代表者など労働者でない人は、療養補償給付を受けることはできないのですか?

A1 労働基準法上の労働者に該当しない法人の代表者または業務執行者(代表者等)については、特別加入していない限り労災保険法に基づく保険給付は行われません。また、業務上の傷病ですので、当然ながら健康保険(国民健康保険を除く)からの給付も行われません。
しかしながら当面の措置として、被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって、一般の労働者と同じような労務に従事している人については、業務上の傷病に対して、健康保険から保険給付(傷病手当金は除きます)が受けられます。
ただし、特別加入をしている人及び労働基準法上の労働者の地位を併せ保有すると認められる人であって、これにより業務上の傷病に対し労災保険による保険給付が行われる人には適用されません。

Q2 労働者が業務災害により休業などしたときには、所轄労働基準監督署に報告しなければならないそうですが、その方法を教えて下さい。

A2 労働者が業務上の傷病その他就業中または事業所内もしくはその附属建物内で負傷、窒息、急性中毒等により休業した場合は、事業主は所轄労働基準監督長に「労働者死傷病報告」を提出しなければなりません。

1.休業日数が3日以下の場合
四半期(1月〜3月、4月〜6月、7月〜9月、10月〜12月)ごとにとりまとめて、各期間の最後の月の翌月末日までに提出します。(様式第24号)。

2.休業日数が4日以上になる場合
事故後、遅滞なく提出します(様式第23号)

Q3 仕事中にケガをしたのに健康保険で治療を受けた場合、どのようにすればよいのでしょうか?

A3 本来労災保険から保険給付を受けるべき事故でありながら、健康保険で治療を受けた場合は、労災扱いにしてもらうよう直ちに病院に連絡します。
当該病院が労災指定病院の場合は、健康保険でかかったときの領収書を添付して「療養補償給付たる療養の給付請求書」(様式第5号)(通勤災害の場合は「療養給付たる療養の給付請求書」(様式第16号の3))を病院に提出して、それまでに支払った費用を返金してもらいます。
なお、レセプト(診療報酬明細書)は月を単位にしているため、連絡が遅れて月をまたいでしまったときは、医療機関によって取扱いが異なることがありますので病院と相談して下さい。

Q4 労働者が仕事中にケガをしたり、病院にかかったときには、どのような保険給付が行われるのですか?

A4 労働者が、仕事中にケガや病気になったときは、療養補償給付が行われます。療養補償給付は、現物給付である療養の給付が原則とされています。
療養の給付の範囲は、
1.診察、
2.薬剤または治療材料の支給、
3.処置、手術その他の治療、
4.居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護、
5.病院または診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護及び
6.移送で、政府が必要と認めるものに限られます。

Q5 療養の給付は、具体的にどのように行われるのですか?

A5 療養の給付(現物給付)は、労働福祉事業として政府が設置した病院もしくは診療所または都道府県労働局長の指定する病院もしくは診療所、薬局もしくは訪問看護事業者において行われ、被災労働者は無料で診療を受けられます。
この場合、治療に要した費用は政府が直接医療機関に支払います。手続きは、療養を受けようとするときに、治療を受けている指定病院等を経由して所轄労働基準監督署長に、「療養補償給付たる療養の給付請求書」(様式第5号)を提出することにより行います。

Q6 療養の給付は、いつまで行われるのですか?

A6 療養の給付は、その傷病が治療を必要としなくなるまで行われます。具体的には、ケガについては創面が治ゆした場合、病気については急性症状が、消退し、慢性症状は持続しても医療効果を期待できない状態となった場合とされます。
なお、これらの結果として残された欠損、機能障害、神経症状等は障害として障害補償給付の対象となります。ちなみに、傷病が治っていない状態で退職する場合には、療養補償給付は引き続き行われます。

Q7 指定病院以外の病院等で治療を受けたときは、給付は行われないのですか?

A7 緊急を要するため自分の意思にかかわらず指定病院以外の病院に収容されてしまったときなどには、療養の給付に代えて療養の費用が支給されます。
療養の費用の支給は、労働者が好んで選択できるものではなく、療養の給付をすることが困難な場合あるいは療養の給付を受けないことについて労働者に相当の理由がある場合についてのみ、療養の給付に代えて行われるものです。

Q8 療養の費用の支給は、どのような場合に行われるのですか?

A8 具体的には、次のような場合が考えられます。
1.その地域に指定病院等がない場合
2.特殊な医療技術または診療施設を必要とする傷病であって、最寄りの指定病院等にこれらの技術または施設の整備がなされていない場合など政府側の事情において療養の給付が困難な場合
3.その傷病が緊急に診療を受けなければならないため、指定病院等以外の病院、診療所等で療養を必要とする場合
療養の費用は、被災労働者が指定病院等以外の病院等で診療を受けたときの他、はり、きゅう、あんま等から手当を受けたときにも支給されます。

Q9 療養の費用の支給手続きについて教えて下さい。

A9 療養の費用を支払った日の翌日から2年以内に、領収書など費用を証明できる資料を添付して、「療養補償給付たる療養の費用請求書」(様式第7号)を、所轄労働基準監督署に提出してその費用を支払ってもらいます。
なお、看護または移送の費用を含む場合は、「看護費用の額の証明書」を添付する必要があります。

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