社会保険労務士 工藤総合保険事務所

今月のQ&A(質問と答え)

退職後の医療保険について教えて下さい。


Q1 任意継続(以下、「任継」という)の資格要件について教えて下さい。

A1 資格喪失の日の前日(離職日)まで継続して2ヶ月以上被保険者であったことが資格要件のひとつです。「2ヶ月以上継続」していなければなりませんので、2か月分の保険料を納付しただけでは要件を満たしたことにはなりません。
たとえば、1月21日に被保険者資格を取得した場合は、3月20日まで在職している必要があります。しかし、2月末日に離職する場合は、保険料は、2ヶ月分徴収されますが、被保険者期間がまるまる2ヶ月ありませんので任継の要件は満たせないことになります。
この他、資格喪失の日から20日以内に申請することも要件です。ちなみに、任継となれる期間は2年間です。

Q2 保険料は、どのようにして決められるのですか?

A2 保険料算出方法は、次のとおりです。
(1)任継の場合
離職時の標準報酬月額と28万円を比べていずれか低い方の額に、保険料率(事業主負担がないため全額自己負担)を掛けた額が納付すべき保険料額となります。したがって、40歳未満の人は、標準報酬月額に千分の82、40歳以上65歳未満の人は千分の94.3を掛けた額となります。
(2)国保の場合
国保の保険者は、市区町村及び国民健康保険組合ですので、保険料額については、各保険者が以下に基づき条例や規約により独自に定めています。
1.応能割・・・均等割、平等割
2.応益割・・・所得割、資産割
国保の保険料については、早めに市区町村の担当窓口に問い合わせて、任継になった場合と比較検討しておくとよいでしょう。

Q3 保険料の納付方法について教えて下さい。

A3 保険料の納付方法は、以下のとおりです。
(1)任継の場合
保険料は本人が保険者に直接、当月分を当月10日までに納付します(保険料前納制度あり、自動引き落としにすると便利)。
ちなみに、任継の申請は住所地の社会保険事務所で行います。この場合、初回分の保険料については保険者が指定する日(具体的には、任継の申請をした日)となりますので、申請日により2ヶ月分徴収されることがあります。スムーズに手続きするためにも、事前に保険料額を確認しておくとよいでしょう。
(2)国保の場合
住所地の市区町村等から納付書が送られてきますので、その額を金融機関に振り込む等の方法で納付します。

Q4 私の妻は自営業のため国保に加入しています。退職後、任継にしようか国保に加入しようか迷っています。何を基準に選べばよいのですか?

A4 国保の保険料にも上限が設けられていますので、まずその額を確認するとよいでしょう。
国保の保険料算定の基礎となる所得割は、世帯全員の所得の合算額で決定されますので、国保を選んだ方が保険料が安くなる場合があります。
とりあえず、住所地の市区町村に金額を確認して決めるとよいでしょう。

Q5 任継になると、自分から止められないと聞きましたが、本当ですか?

A5 本当です。任継が資格喪失できる理由は以下の理由に限られ、任意で、いつでも資格を喪失することはできません。
1.被保険者となった日から起算して2年を経過したとき。
2.死亡したとき。
3.保険料を納付期日までに納付しないとき。ただし、保険料の納付の遅延について正当な事由
があると認められたときを除く。
4.就職して強制被保険者、任意包括被保険者または船員保険の被保険者となったとき。
なお、任継制度には保険料を督促する規定がありませんので、保険料を納付期限までに納付しない場合は、自動的にその資格を失います。

離職後の医療保険の保険料と給付内容の一覧表

*任意継続被保険者に対する傷病手当金と出産手当金は、平成19年3月末で廃止されます。
政管健保の任意継続被保険者 国民健康保険
被保険者 被扶養者
保険料 1.医療分 82/1,000 なし 条例による
2.介護分(40歳未満) なし なし なし
 (40歳以上65歳未満) 12.3/1,000 なし 条例による
 (65歳以上) 条例による
保険給付の内容 1.療養の給付等・家族療養費 70歳未満 70歳以上 7割
 被保険者の年齢が
 70歳未満 7割 7割 9割
 70歳以上 現役並み所得者 7割 7割 7割
 一般 9割 7割 9割
2.標準負担額(入院時食事療養費) 1食260円 1食260円 1食260円
3.訪問看護療養費 @と同じ - 7割
 家族訪問看護療養費 - @と同じ
4.傷病手当金* あり なし 条例による
5.高額療養費 あり あり あり
6.移送費 あり - 条例による
 家族移送費 - あり
7.埋葬料(埋葬費) 5万 - -
 家族埋葬料 - 5万 -
 葬祭費 - - 条例による
8.出産育児一時金 35万 - 条例による
(35万)
 家族出産育児一時金 - 35万
9.出産手当金* あり なし 条例による

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