今月のQ&A(質問と答え)
新しい遺族厚生年金制度がスタートしますが、その内容について教えてください。
Q1 平成16年年金制度改正により、平成19年4月1日から死亡に関する年金給付について、大幅な改正が行なわれたと聞きましたが、内容について教えてください。
A1 改正内容は以下の3点です。
(1)本人が納めた保険料を出来るだけ年金額に反映させるため、65歳以後の配偶者に対する年金給付について、まず、自分の老齢厚生年金を全額受給した上で、改正前の水準との差額を遺族厚生年金として受給する仕組みに変わりました。
(2)30歳未満の子のいない妻への遺族厚生年金が5年間の有期年金となりました。
(3)中高齢の寡婦加算の対象者が、夫の死亡当時等に40歳以上である妻となり、待機期間(改正前は35歳から40歳までは待機期間とされ、中高齢の寡婦加算は実際には支給停止)がなくなりました。
Q2 30歳未満の子のいない妻に対する遺族厚生年金について教えてください。
A2 はい、30歳未満の子のいない妻に対する遺族厚生年金について説明をします。子(18歳到達以後最初の年度末までにある子などをいう。以下同じ)のいない30歳未満の妻には、再婚するなどの失権事由に該当しない限り遺族厚生年金が生涯支給されてましたが、今回の改正で、遺族厚生年金の受給権を取得した当時子がいないため遺族基礎年金の受給権を取得しない場合においては、遺族厚生年金の受給権を取得した日から5年が経過したときには、その受給権は消滅します。
また、子のいる妻が30歳到達前に子が亡くなったり直系血族や直系姻族以外の養子となったことなどにより遺族基礎年金の受給権が消滅したときも同様に、遺族基礎年金の受給権が消滅した日から5年が経過したときにその受給権は消滅します。
なお、この規定は、平成19年4月1日以後に支給事由が生じた遺族厚生年金から適用されます(以下同じ)。
サラリーマンの夫が亡くなり、子のいない30歳未満の妻が残されたとき
| <改正前> | <改正後> |
| 夫死亡時 | 夫死亡時 |
| 妻30歳未満 | 妻30歳未満 |
| ▼ | ▼ |
| 遺族厚生年金 → | 遺族厚生年金 → |
| ← 5年間 →▼受給権消滅 |
Q3 30歳台の子のいない妻に対する遺族厚生年金について教えてください。
A3 現行では子のいない妻の年齢が35歳以上であれば、40歳から65歳に達するまでの間、中高齢の寡婦加算が行なわれますが、子がいる妻の場合は、夫の死亡当時35歳未満でも35歳に達した当時遺族基礎年金を受けていたときは、子の全員が失権事由に該当して遺族基礎年金が支給されなくなった月(妻の年齢が40歳以上であること)から65歳に達するまで中高齢の寡婦加算が行なわれます。
この中高齢の寡婦加算の支給対象年齢が35歳から40歳に引き上げられたため、遺族厚生年金の受給権発生時に30歳台である妻には中高齢の寡婦加算は付かなくなります。なお、夫の死亡当時子のある妻については、子が18歳到達以後最初の年度末に達した時点の年齢で判断されます。
サラリーマンの夫が亡くなり、子のいない30歳台の妻が残されたとき
| <改正前> | <改正後> |
| 夫死亡時 | 夫死亡時 |
| 妻37歳 | 妻37歳 |
| ▼ | ▼ |
| 遺族厚生年金→ | 遺族厚生年金→ |
| ▼(40歳)→ | ▼(40歳) |
| 中高齢寡婦加算 |
Q4 40歳以上の妻に対する遺族厚生年金について教えてください。
A4 夫死亡当時40歳以上の妻に遺族厚生年金の受給権が発生したときには、65歳に達するまでの間、遺族厚生年金と中高齢の寡婦加算がセットで支給されます。
サラリーマンの夫が亡くなり、子のいない40歳以上の妻が残されたとき
| 夫死亡時 | |
| 40歳 | 妻43歳 |
| ▼ | ▼ |
| 遺族厚生年金 | |
| 中高齢寡婦加算 |
Q5 65歳以上の受給権者に対する遺族厚生年金について教えてください。
A5 高齢期(65歳以上の人に限る)の遺族厚生年金受給権者に対しては、下記のとおり老齢厚生年金を支給した上で、残りの額を遺族厚生年金とする支給方式に改められます。
(1)本人の老齢厚生年金が全額支給されます。
(2)改正前の制度で支給される額(※)と(1)を比べて、後者の方が少ない場合は、その差額が遺族厚生年金として支給されます。
※イとロを比較していずれか高い方の額をいいます。
イ)夫の遺族厚生年金
ロ)夫の遺族厚生年金の2/3(夫の老齢厚生年金の1/2)+妻の老齢厚生年金の1/2 なお、遺族厚生年金の受給権者が厚生年金保険の被保険者である場合の遺族厚生年金の支給停止額は、在職老齢年金の仕組みによる支給調整が行なわれる前の老齢厚生年金の額に基づき決定されます。
サラリーマンの夫が亡くなり、配偶者が65歳以上になったとき
<改正前>
配偶者が65歳になると、いずれか一つを選択することができます。
| 遺族厚生年金(死亡した人の老齢厚生年金の3/4) |
| 老齢基礎年金 |
| 本人の老齢厚生年金 |
| 老齢基礎年金 |
| 遺族厚生年金の2/3 |
| 老齢厚生年金の1/2 |
| 老齢基礎年金 |
<改正後>
| 本人の老齢厚生年金(全額) |
| 遺族厚生年金(老齢厚生年金を除いたもの) |
| 老齢基礎年金 |
