今月のQ&A(質問と答え)
年度更新の手続き
Q1 年度更新について教えてください。
A1 労働保険(労災保険及び雇用保険をいう)の保険料は、毎年原則として4月1日から5月20日(今年は6月11日)までの間に、1保険年度(4月1日から翌年の3月31日まで)の確定額を申告し、過不足額を精算すると同時に翌年度の保険料額を概算額(賃金総額が、前年度の1/2以上2倍以下のときは前年度の賃金総額で算定)で申告・納付するしくみを採っています。この一連の手続きが「年度更新」といわれるものです。
Q2 新たに事業主負担となる「一般拠出金」について教えてください。
A2 今年度の年度更新については、石綿(アスベスト)健康被害救済のための「一般拠出金」が新たに事業主の負担となる改正が行なわれました。この一般拠出金は、労災保険適用事業場の全事業主(特別加入者や雇用保険のみ加入の事業主を除く)が対象で、労働保険の確定保険料の申告時に申告・納付します。
したがって、延納(分割納付)はできません。料率(一般拠出金率)は、一律0.05/1,000でメリット料率(割増・割引)の適用はありません。
有期事業(単独有期事業及び一括有期事業)については、本年4月以降に開始した事業(工事)分から適用されますので、一般拠出金の申告・納付は来年度の年度更新からとなります。なお、平成18年度中に、他の都道府県に事業場を移転した場合や新たに継続被一括の対象事業場となった場合などの算定期間は、労働保険料は当該事由に該当した月から3月末日までですが、一般拠出金の算定期間は「1年間」で計算します。(19年度以降は労働保険料、一般拠出金ともに算定期間は同じになります)。
ちなみに、保険料率が改正された場合は、確定保険料額は平成18年度の概算保険料を算出する際に用いた保険料率、概算保険料は改正後の保険料率で算定します。保険料・拠出金ともに料率は申告書に印字されてきます。
Q3 申告書を作成するにあたっての作業手順を教えてください。
A3 労働保険料算定の基礎となるのは、原則として1保険年度中に労働者に支払った賃金の総額です。この賃金総額を算定するときには、集計表(「労働保険 概算・確定保険料申告書」以下、申告書という)とともに同封されてくる)の番号に従って必要な数字を記入すると作業はスムーズでしょう。以下、記入に当っての注意事項のいくつかを揚げます。
(1)支払った給与の項目をチェックし、集計表を完成させます。
1)給与の中で、賃金に該当するものと該当しないものを区別します。
2)労災保険・雇用保険対象者の賃金、また賞与等を支給していれば、その額を求めます。
3)役員で労働者(被保険者)扱いのものの賃金を求めます。
4)臨時労働者(パート、アルバイトなど)の賃金(額の多少は問わない)を求めます。
5)高年齢労働者(保険年度の初日(4月1日)において、満64歳以上の人をいい、年度の途中で満64歳になった人は翌年度から高年齢労働者となる)の雇用保険料は、被保険者及び事業主負担分ともに免除となりますので、その賃金総額を求めます。
労災保険に特別加入している場合は次のようになります。
1)事業主については、賃金というものがないため、あらかじめ決定された保険料算定基礎額を賃金とみなして、労働者の賃金と合算します。
2)海外派遣者の申告は、本来の申告とは別に行なうため、海外派遣者の賃金(実際に支給している賃金ではなく保険料算定基礎額)の総額を求めます。
(2)集計表を完成させた後は、申告書にこれらの数字を転記し、印字されている保険料率等を掛けて保険料額等を算出します。
(3)概算保険料が40万円(労災保険または雇用保険のいずれか一方の保険関係のみが成立している事業については20万円)以上であって、保険料を3回に分割して納付(延納といい、利息はつかない)することを希望する場合は、申告書の「納付回数」欄に「3」と記入します。
(4)「領収済通知書」に納付額を記入して申告書の作成は終了です。
(5)最後に、申告書の「事業主」欄に代表者印が押印されているかどうかを確認して、6月11日までに提出します。
図表■労働保険料の対象となる労働者
●労働者とは、事業主に使用される人で、その労働の対償として賃金の支払を受ける人をいいます
| 労災保険 | 雇用保険 | |
| パートタイマー | 就業の形態、時間の長短を問わずすべて 労働者として取り扱います。 | 賃金・労働時間などの労働条件が就業規則、雇用契約書または雇入通知書などにより明確に定められていることを条件に、次の要件を全て満たしているときに被保険者となります。 (1)1週間の所定労働時間が20時間以上であること。 (2)1年以上引続き雇用されることが見込まれること。 |
| 年齢労働者 | 年齢に関係なく労働者として扱います。 | 同一の事業主の適用事業に65歳に達した日の前日から引き続いて雇用されている人 (短期雇用特例被保険者と日雇労働被保険者を除く)は被保険者ですが、保険料算定の対象者には含まれません。 |
| 2以上の 適用事業所で 働く人 | 複数の適用事業所で働いた場合そのすべての事業所で労働者となります。 | 生計を維持するために必要な主たる賃金を受ける一つの事業、つまり、賃金の多い方の被保険者になります。 社会保険のように合算されませんので注意が必要です。 |
| 法人の役員 | 法人の取締役、理事、無限責任社員などでも、法人や定款等により業務執行権がない人は、現実に業務執行権を有する取締役などの指揮監督を受けて労働に従事し、その対償として賃金を支払われていれば労働者として取り扱います。 また、法令や定款等により、業務執行権がないと認められる取締役などでも、取締役会規則など内部規定により業務執行権があると認められれば労働者になりません。 |
取締役は原則として被保険者にはなりませんが、取締役であっても部長、支店長、工場長など労働者としての性格が強く、しかも雇用関係があると認められ、報酬も同じように支払われていれば、被保険者となります。 ただし、代表取締役はいかなる場合でも被保険者にはなりません。 |
| 引続き長期 欠勤している人 | 雇用関係がある限り、賃金支払の有無にかかわらず労働者となります。 | 労災保険と同様、雇用関係がある限り、賃金支払の有無にかかわらず被保険者となります。 |
| 委任 | 事業に使用される関係ではないが、委任者と受託者間に現実的な使用従属関係があれば労働者となる場合もあります。 | 労災保険と同様、事業に使用される関係ではありませんが、委任者と受託者間に現実的な使用従属関係があれば被保険者となる場合もあります。 |
| 請負契約 | 請負契約による下請負人(下請の事業主)は、原則として労働者にはなりませんが、実質的に使用従属関係があれば雇用関係があると認められるため、この場合は労働者になります。 | 労災保険と同様、請負契約による下請負人は、原則として労働者にはなりませんが、実質的に使用従属関係があれば雇用関係があると認められるため、この場合は被保険者となります。 |
| 派遣労働者 | 派遣元の事業所の適用を受けます。 | 派遣元の事業所において被保険者となります。 |
