社会保険労務士 工藤総合保険事務所

今月のQ&A(質問と答え)

雇用保険の失業等給付について教えて下さい。


Q1 雇用保険の失業等給付について教えて下さい。

A1 雇用保険の一般被保険者が離職した場合であって、離職日以前2年間に被保険者期間が1年以上あるときには、失業等給付(基本手当)が受けられます。
また、高年齢継続被保険者(同一の事業主に65歳に達した日(65歳の誕生日の前日)の前日から引き続き65歳以後も雇用されている人)の場合は、離職日以前1年間に被保険者期間が6ヵ月以上あるときに高年齢求職者給付金が支給されます。
失業等給付は、基本手当日額に所定給付日数を掛けた額で、法律で定められています。この給付を、一般被保険者(受給資格者)と高年齢継続被保険者(高年齢受給資格者)に分け、給付額等の違いについて説明します。

Q2 基本手当の日額について教えて下さい。

A2 基本手当日額は、受給資格者の年齢と賃金日額の区分に応じて定められています。(平成19年8月以後の金額は表1参照)。また、就職困難者と特定受給資格者以外の人の所定給付日数(基本手当を受けられる日数)は、全年齢共通で、被保険者であった期間に応じて次のとおり定められています。
10年未満…………………90日
10年以上20年未満……120日
20年以上…………………150日
なお、賃金日額とは、被保険者期間として計算された最後の6ヵ月に支払った賃金(臨時に支払われる賃金及び年3ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く)の総額を180で割った額をいいます。

Q3 離職後の給付を受けるときに留意することはありますか。

A3 所定給付日数に留意すべきでしょう。基本手当の給付日数は前掲のとおり被保険者期間により3つに区分され、その区分毎に30日分ずつ増加します。したがって、その区切りで辞めたほうが有利であるといえます。
たとえば、9年11ヶ月で辞める場合の給付日数は90日ですが、あと一月在職して10年で辞める場合は30日増えて120日となります。同様のことが、就職困難者、特定受給資格者についてもいえます。

Q4 高年齢継続被保険者が離職後に受けられる給付について教えて下さい。

A4 高年齢継続被保険者が失業した場合において、離職の日以前1年間(その期間にケガ・病気等の理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった場合は、その理由により賃金の支払を受けることができなった日数を1年に加算した期間(最大でも4年間))に、被保険者期間が通算して6ヵ月以上あったときに、高年齢求職者給付金が支給されます。高年齢求職者給付金の額は、基本手当日額相当額に、被保険者であった期間に応じて定められた次の日数を掛けた額です。
1年未満……30日
1年以上……50日

Q5 受給資格者に支給される基本手当と高年齢受給資格者に支給される高年齢求職者給付金とでは、どのような点が異なるのですか。

A5 受給資格者(65歳未満で離職した人)に支給される基本手当と高年齢受給資格者(65歳以後に離職した人)に支給される高年齢求職者給付金との違いとして、次のものがあります。
(1)所定給付日数が大きく異なります。たとえば、被保険者期間が1年ある場合の所定給付日数は、前者は90日、後者は50日で約半分、20年以上ある場合は、前者は150日、後者は50日となり3分の1になってしまいます。
(2)受給資格者と高年齢受給資格者とでは賃金日額及び基本手当日額の上限額が異なります。受給資格者の賃金日額は15,060円、基本手当日額は6,777円ですが、高年齢受給資格者は同様に12,730円、6,365円となり、高額な給料を支給されていた高齢者には不利となります。

Q6 28年の被保険者期間がある63歳の男性です。どのようにすれば受給資格者として基本手当を受けられますか。

A6 前掲のとおり離職日が65歳の誕生日の前々日か前日か、わずか1日で離職後の給付に大きな差が出ますので、給付面だけを考えると、65歳の誕生日の前々日以前に辞めたほうがかなり有利になるといえるでしょう。
定年等の年齢は、就業規則などにより65歳の誕生日とか65歳の誕生日の属する月の末日、あるいは65歳到達後最初の賃金締切日などと定めていると思います。
このような場合であって、高齢者が受給資格者としての給付を受けたいときには、65歳未満で「自己都合」により資格を喪失させる方法があります。給付制限はありますが、150日分の基本手当が支給されます。
また、継続雇用制度を導入し、1年毎に契約を更新している会社などの場合、社員が希望したときには、最後の契約の終了日を、その被保険者の誕生日の前々日にすることも違法ではありません。

表1 基本手当日額の計算式及び金額

(1)基準日において30歳以上45歳未満である受給資格者
賃金日額(w) 基本手当日額(y) 基本手当日額
2,070円以上4,080円未満 y=0.8w 1,656円〜3,264円
4,080円以上11,820円以下 y=(−3w2+74,160w)/77,400 3,264円〜5,910円
11,820円超14,140円以下 y=0.5w 5,910円〜7,070円
14,140円超 y=7,070 7,070円

(2)基準日において45歳以上60歳未満である受給資格者
賃金日額(w) 基本手当日額(y) 基本手当日額
2,070円以上4,080円未満 y=0.8w 1,656円〜3,264円
4,080円以上11,820円以下 y=(−3w2+74,160w)/77,400 3,264円〜5,910円
11,820円超15,550円以下 y=0.5w 5,910円〜7,775円
15,550円超 y=7,775 7,775円

(3)基準日において60歳以上65歳未満である受給資格者
賃金日額(w) 基本手当日額(y) 基本手当日額
2,070円以上4,080円未満 y=0.8w 1,656円〜3,264円
4,080円以上10,590円以下 y=(−7w2+132,720w)/130,200
y=0.05w+4,236
のいずれか低い方の額
3,264円〜4,765円
10,590円超15,060円以下 y=0.45w 4,765円〜6,777円
15,060円超 y=6,777 6,777円

(4)基準日において30歳未満または65歳以上である受給資格者
賃金日額(w) 基本手当日額(y) 基本手当日額
2,070円以上4,080円未満 y=0.8w 1,656円〜3,264円
4,080円以上11,820円以下 y=(−3w2+74,160w)/77,400 3,264円〜5,910円
11,820円超12,730円以下 y=0.5w 5,910円〜6,365円
12,730円超 y=6,365 6,365円

(注) 1 基準日とは、受給資格に係る離職の日をいう。
2 端数処理については、1円未満を切り捨て

表2

受給資格者に対する給付
所定給付日数 支給額
10年未満 90日 609,930円
10年以上 20年 120日 813,240円
20年以上 150日 1,016,550円

受給資格者に対する給付
所定給付日数 支給額
1年未満 30日 190,950円
1年以上 50日 318,250円

« 戻る | Q&A | 次へ »

今月のQ&Aトップへ戻る


RSS 2.0 (RSSの使い方) -- トップ今月の Q&A トップ今月の Q&A

Kudo
comprehensive
insurance office

トップ | 法改正 | Q&A | 判例研究 | トピックス | コンピテンシー | 営業案内 | 問い合わせ | リンク集 | 代表