社会保険労務士 工藤総合保険事務所

今月のQ&A(質問と答え)

短時間労働者(パートタイマー)均衡待遇推進等助成金


Q1 短時間労働者(パートタイマー)均衡待遇推進等助成金について教えて下さい。

A1 この助成金は、パートタイマーのやる気を引き出し、企業の活性化につなげていくことを目的に創設されたもので

(1)正社員と共通の処遇制度の導入
(2)パートタイマーの能力・職務に応じた処遇制度の導入
(3)正社員への転換制度の導入
(4)短時間正社員制度の導入
(5)教育訓練制度の導入
(6)健康診断制度の導入
といった均衡待遇に向けた取り組みに努める、次の要件をすべて満たした事業主に支給されます。
イ:労働保険の適用事業主であること
ロ:平成19年7月1日以降に新たに制度を設け、就業規則や労働協約に規定し、2年以内に対象者がでること
ハ:正社員がいること
ニ:上記(6)以外は、対象となるパートタイマーの1/2以上が雇用保険の被保険者であること

Q2 本助成金の具体的な要件と支給額を教えて下さい。

A2 A2:(1)〜(6)の具体的な要件と支給額は以下のとおりです。

(1)正社員と共通の処遇制度を導入する場合
パートタイマーの仕事や能力に応じた処遇について、正社員と共通の評価・資格制度を、職能給(職務遂行に必要な能力を基準にして決定された賃金)や職務給(当該職務について必要とされる知識、熟練、努力、責任の度合いなどを要素として、職務の相対的価値を評価し、それに応じて決定された賃金)に基づいて就業規則に規定するなど客観的な基準・手続きにより行っていることが明らかであることが要件です。その上で、実際に格付け(等級が三段階以上あること)されたパートタイマーが1名以上出たときに支給されます。
なお、(1)と(2)は両方支給されませんので、いずれか一方を選択することになります。

(2)パートタイマーの能力・職務に応じた処遇制度を導入する場合
パートタイマーの仕事や能力を、パートタイマー用の評価・資格制度で格付けし、それを就業規則に規定するなどして客観的な基準・手続きにより行っていることを明確にし、その上で実際に格付け(等級が三段階以上あること)されたパートタイマーが1名以上出たときに支給されます。
なお、(1)、(2)とも職能・職務資格等級の基準や昇格・降格については、職能等級規程や職務等級規程などに規定し、賃金、人事考課(昇給、降給)に関しては賃金規程等に定めなければなりません。

(3)正社員への転換制度を導入する場合
パートタイマーから直接正社員へ転換する制度を設ける場合とパートタイマーからフルタイム有期契約社員を経て正社員へ転換する二つの方法があり、ともに制度導入後2年以内に実際に転換者が1名以上出ることが要件です。
後者の場合、パートタイマーからフルタイム有期契約社員への転換制度のみ、フルタイム有期契約社員から正社員への転換制度のみ、というように片方だけでは支給対象とはなりません。あくまでも転換後正社員になることが要件です。
ちなみに、この制度が機能していることを確認する資料(社内報など)を求められることがあります。

(4)短時間正社員制度を導入する場合
短時間正社員制度(雇用契約期間の定めのないものに限る)を導入するためには、新たに「短時間正社員就業規則」を作成するか、または「正社員就業規則」の中に「短時間正社員」の規定を新たに設けて、短時間正社員の労働条件を明確に規定する必要があります。これらを設けた上で、実際に短時間正社員が1名以上出たときに支給されます。
本助成金に係わる短時間正社員への転換理由は、自己啓発や社会活動への参画を希望する場合などに限定され、その方法として正社員からの転換、本人の希望によりフルタイム有期契約社員やパートタイマーからの転換などと明示して、それぞれに応じた就業規則を作成しなければなりません。
ちなみに、「短時間正社員」とは次の要件を満たした人のことをいいます。
イ:正社員と比較して1週間の所定労働時間が1割以上短いこと
ロ:労働時間以外の条件については正社員と同様の処遇を行うこと(就業規則等にその旨を明示すること)
ハ:期間の定めのない雇用契約を結んでいること
ニ:時間当たりの基本給が、同種の業務に従事する正社員と同等以上であること(支給申請の際には、これらを明らかにできる正社員用、短時間正社員用の賃金規程・賃金表などを提出する必要があります)

なお、正社員から短時間正社員に転換した社員が、再び正社員になる場合は、原職または原職相当職に復帰させなければなりません。原職とは、短時間正社員制度の適用者が、制度適用前に就いていた部署や職務のことをいい、原職相当職とは次のいずれにも該当する場合をいいます。
イ:制度適用後の職制上の地位が、適用前より下回っていないこと
ロ:制度適用前後の職務内容が異なっていないこと
ハ:制度適用前後ともに、原則として同一事業所に勤務していること

(5)教育訓練制度を導入する場合
正社員との均衡を考慮した教育訓練制度(カリキュラムの内容、時間などが正社員のものと同様で、OJTではないこと)を設け、パートタイマーに延べ30名以上(同一人が複数回受講した場合は、延べ人数として計上できますが、同一内容の訓練を同一人が複数回受けることは認められていません)実施したときに支給されます。
この場合、教育訓練に要する費用は会社負担となります。

(6)健康診断制度を導入する場合
(1)〜(5)のいずれかの助成金を受給した事業主が、パートタイマーの健康診断(雇入時健康診断、定期健康診断、人間ドッグ、生活習慣病予防健診)の制度を設けた上で、受診者が1名以上出たときに支給されます。

支給額は下記のとおりで、平成19年7月1日以降に新たに制度を設けてから2年以内に対象者が出た場合に第1回目が支給され、第1回目の対象者が出た6ヵ月後に、その対象者が継続して雇用されている場合に第2回目が支給されます。
支給申請期間は、第1回目は対象者が出てから3ヵ月以内、第2回目は、第1回目の対象者が出た日から6ヵ月を経過した日から3ヵ月以内です。

(1)の場合 (2)の場合 (3)の場合 (4)の場合 (5)の場合 (6)の場合
第1回目 25万円 15万円 15万円 15万円 15万円 15万円
第2回目 25万円 15万円 15万円 15万円 15万円 15万円

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