社会保険労務士 工藤総合保険事務所

今月のQ&A(質問と答え)

最近の助成金について教えてください。


Q1 雇用保険関係の助成金で最近改正または創設されたものはありますか。

A1 雇用保険関係の各種助成金が改正・創設されて、本年4月から実施されています。主なものは以下のとおりです。

1) 70歳以上まで雇用する継続雇用制度等を導入した事業主に対する定年引上げ等奨励金

2) 有期契約労働者を、期間の定めない通常の労働者に転換する制度を導入し、実際に正社員に転換させた場合に助成される中小企業雇用安定化奨励金

3) 育児・介護雇用安定等助成金(両立支援レベルアップ助成金)で短時間勤務制度に特化させた、子育て期の短時間勤務支援コース

Q2 1)の定年引上げ等奨励金について教えてください。

A2 定年引上げ等奨励金(中小企業定年引上げ等奨励金及び雇用環境整備助成金)が、「中小企業定年引上げ等奨励金」、「70歳定年引上げ等モデル企業助成金」及び「中小企業高年齢者雇用確保実現奨励金」(事業主団体が対象)に再編されました。
このうち中小企業定年引上げ等奨励金は、65歳以上への定年の引上げまたは定年の定めの廃止の場合に加え、希望者全員を70歳以上の年齢まで雇用する制度(継続雇用制度) を導入した場合にも支給されることとなりました。新制度による支給額は、下表のとおりです。

定年引上げ等奨励金
定年年齢 企業規模(人) 定年を65歳以上70歳未満に引き上げた場合 定年の引上げ(70歳以上)または定年の定めを廃止した場合 希望者全員を70歳以上まで継続雇用する制度を導入した場合
60歳以上
65歳未満
1〜9 40万 80万円 40万円
10〜99 60万 120万円 60万円
100〜300 80万 160万円 80万円
65歳以上
70歳未満
1〜9 - 40万円 20万円
10〜99 - 60万円 30万円
100〜300 - 80万円 40万円

Q3 2)の中小企業雇用安定化奨励金について教えてください。

A3 中小企業雇用安定化奨励金は本年4月より新設されました。
本奨励金は、中小企業事業主が、契約社員やパートタイマーなど期間を定めて雇用している(有期契約)労働者を、通常の労働者(以下、正社員という)に転換する制度を就業規則などに定めて、実際に正社員に転換させた場合に支給されるものです。

【1】支給対象事業主

 次の要件を満たした雇用保険の適用事業主に支給されます。

イ 新たに有期契約労働者を正社員に転換させる制度(転換制度)を労働協約または就業規則に定め、かつ、その制度に基づいて1人以上を正社員に転換させたこと

ロ 転換制度を公正、かつ、適正に実施していることなど

【2】支給額

イ 転換制度導入事業主
新たに転換制度を導入し、かつ、この制度を利用して、直接雇用する有期契約労働者を正社員として1人以上転換させた場合に、1事業主につき35万円が支給されます。

ロ 転換促進事業主
転換制度を導入した日から3年以内に、直接雇用する有期契約労働者を3人(母子家庭の母等については2人)以上正社員として転換させた場合に、対象労働者1人につき10万円(母子家庭の母等は15万円)が10人を限度に支給されます。

【3】支給申請

前記イの場合は、対象労働者に正社員として1ヶ月(前記ロの場合は6ヶ月)分の基本給を支給した日の翌日から1ヶ月以内に、都道府県労働局またはハローワークに申請します。ちなみに、中小企業雇用安定化奨励金と試行雇用奨励金、及び中小企業雇用安定化奨励金と同一の事由による短時間労働者均衡待遇推進等助成金(担当窓口は(財)21世紀職業財団で、大企業も支給対象)は併給されません。また、平成20年3月31日以前に転換制度を定めている場合も、本奨励金の支給対象となりません。

Q4 3)の「子育て期の短時間勤務支援コース」について教えてください。

A4 両立支援レベルアップ助成金のひとつである「子育て期の柔軟な働き方支援コース」が平成20年3月末   で廃止されて、新たに「子育て期の短時間勤務支援コース」として創設されました。
改正により新たに助成される事業主は、労働協約や就業規則により短時間勤務を制度化している事業主です。なお、下記イ及びロの要件を同時に満たしている場合は、それぞれに申請が必要となります。

【1】支給対象事業主

イ 3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する被保険者について、短時間勤務の制度を設け、その被保険者に対しその制度を実施した中小企業事業主

ロ 小学校就学の始期から小学校第三学年終了までの子を養育する被保険者について、短時間勤務の制度を設け、その被保険者に対しその制度を実施した事業主(大企業事業主を含む)

ハ 3歳に達するまでの子を養育する被保険者、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する被保険者または小学校就学の始期から小学校第三学年終了までの子を養育する被保険者について、短時間勤務の制度を設けた中小企業事業主であって、短時間勤務の制度に関し専門的知識を有する社会保険労務士や中小企業診断士等にその制度の利用促進について助言を受け、その制度を利用した被保険者が最初に生じたもの

【2】支給額

前記イ及びロの支給額は下表のとおり(従前額と同じ)で、1事業所あたり5年間で延べ10人が上限です。ハにあっては30万円です。
問い合わせ先は、(財)21世紀職業財団地方事務所です。

育児・介護雇用安定等助成金
一般事業主行動計画の策定・届出のない場合 左記以外
対象労働者が最初に生じた場合 中小企業事業主 40万円 50万円
上記以外 30万円 40万円
5年以内に2人目以降の対象労働者が生じた場合 中小企業事業主 15万円
上記以外 10万円

Q5 その他に変更や廃止になったものがあったら教えてください。

A5 変更があったのは若年者雇用促進特別奨励金と試行雇用奨励金です。

※若年者雇用促進特別奨励金
雇用失業情勢の改善の動きが弱い地域に所在する事業所で雇い入れが行われた場合の支給額が、次のとおり引き上げられました。
・25歳以上30歳未満の場合・・・20万円→30万円
・30歳以上35歳未満の場合・・・30万円→45万円

※試行雇用奨励金
本奨励金の対象者に、ハローワークの紹介により住居喪失不安定就労者を3ヶ月以内の期間を定めて雇い入れた事業主が追加されました。

上記の問い合わせ先は、都道府県労働局です。

また、以下の助成金は平成20年3月31日で廃止されました。
1)雇用環境整備助成金(定年引上げ等奨励金のひとつ)
2)中小企業職業相談委託助成金(人材確保等支援助成金のひとつ)
3)子育て女性起業支援助成金(自立就業支援助成金のひとつ)
4)建設業需給調整機能強化促進助成金(人材確保等支援助成金のひとつ)
5)福利厚生助成金(人材確保等支援助成金のひとつ)

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