今月のQ&A(質問と答え)
在宅勤務者が雇用保険に加入できる要件を教えてください。
Q1 そもそも、在宅勤務者とはどのような人を云いますか?
A1 在宅勤務者とは、労働日の全部またはその大部分について会社への出勤を免除され、常態として自分の家で勤務する人をいいます。就労形態の多様化で、在宅勤務者は今後ますます増えてくると考えられます。
Q2 早速ですが、在宅勤務者は雇用保険への加入が認められますか?
A2 在宅勤務者については、雇用保険上の雇用関係が明らかであると認められる場合に被保険者となることができます。
Q3 それでは、雇用関係が明らかであるとは、実際にはどのような基準で判断できるものなのですか?
A3 具体的には、通達において、
(1)業務遂行に係る裁量性、
(2)指揮監督系統の明確性、
(3)事業所勤務労働者との同一性、
(4)拘束時間等の明確性、
(5)勤務管理の明確性、
(6)報酬の労働対償性の明確性、
(7)請負・委任的色彩の不存在 が挙げられており、これらを総合的に勘案して判断することとされています。
これに基づき雇用関係が明確であることを確認してもらうために、所轄ハローワークに「在宅勤務者実態証明書」(定まった様式はありません)を提出する必要があります。
Q4 前記(1)〜(7)の判断基準を、もっと詳しく教えてください。
A4 具体的な判断基準は次のとおりで、その内容を「在宅勤務者実態証明書」に記入することになります。
(1) 業務遂行に係る裁量性
在宅勤務者の行う業務が、研究開発その他の業務であって、業務の性質上その遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、事業主による直接的な労働時間管理になじみにくいとされる次のいずれかに該当する業務(これらの業務に付随する単純作業のみを行うものを除く)であること。
1) 新商品または新技術の研究開発等の業務
2) 情報処理システムの分析または設計の業務
3) 記事の取材または編集の業務
4) デザイナーの業務
(2) 指揮監督系統の明確性
在宅勤務者の業務遂行状況を直接的に管理することが可能な特定の事業所が、在宅勤務者の所属事業所として指定されていること。
(3) 事業所勤務労働者との同一性
所属事業所において勤務する他の労働者と同一の就業規則等の諸規定(その性質上在宅勤務者に適用できない条項を除く)が適用されること。
(4) 拘束時間等の明確性
1)所定労働日及び休日が就業規則、勤務計画表などにより予め特定されていること。2)各労働日の始業及び終業時刻、休憩時間等が就業規則等に明示されていること。
(5) 勤務管理の明確性
各日の始業、終業時刻等の勤務実績が、事業主により把握されており、それらがハローワークにおいて事後的に確認可能であること。(在宅勤務者にもタイムカードを記入してもらうイメージです)
(6) 報酬の労働対償性の明確性
支払う報酬(賃金)の中に、月給、日給、時給など勤務した期間または時間を基礎として算定される部分があること。
(7) 請負・委任的色彩の不存在
請負契約や委任契約は雇用契約ではありませんので、そのような形態で勤務する在宅勤務者は、そもそも雇用保険の資格を得る余地はありません。具体的には以下の判断基準を満たす必要があります。
1)機械、器具、原材料等の購入、賃借、保守整備、損傷、(労働者の故意・過失によるものを除く)、事業主や顧客等との通信費用等について、本人の金銭的負担がないこと又は事業主の全額負担であることが、雇用契約書、就業規則等に明示されていること。
2)他の事業主の業務への従事禁止について、雇用契約書、就業規則等に明示されていること。
また、「在宅勤務者実態証明書」を所轄ハローワークに提出する際は、確認資料として、就業規則、給与規程、賃金台帳、源泉徴収簿、労働者名簿、雇用契約書、出勤簿(タイムカード)等が求められます。
